目が覚め朝7時半、布団をかぶったまま、眠るMusume(5歳6ヶ月)を眺める。
1分もしないうちに、伸びをしながら、寝返りを始めた。かと思うと、転がりきる直前の頭がハタと枕元を向く。
声を出さず息を飲むと、サンタからのプレゼントを掴み、抱え、妻の居るであろうキッチンを目指す。
早歩き。なのに、寝室の引戸を丁寧に閉めて行った。
Musumeらしいその一連の行動、光景が、日中、何度も浮かぶ。
前々日の あそび発表会。
前日の クリスマス会。
ケーキ、食事、プレゼント、ピアノ、踊り。そのほとんどが妻とMusumeの地道な準備で成り立つ。クリスマスに限ったことではないけれども、この家の出来事は彼女たちが彩ってくれている。
あとは、サンタとか、親類とか、ジュン君とか、ナナちゃんとか。
圧倒的に貰ってばかりだし、喜びを味わうだけではダメだなと感じはするのだけれども、同じように気の利いた、手の込んだことは出来る気がしない。
別のカタチで頑張ろうと思う。
朝食前、サンタのくれた木のティーポットに早速、野いちご(同じく木製)がハマった。どうにも取り出せない。ポットの口から頭を出した野いちごでフタも閉まらない。
そのストロベリーティー専用ポットに記憶が反応する。
野球盤の消える魔球のところにハマった硬貨。改造が失敗し、機能もデザインも残念な状態の自転車、ラジコン。中身を見るだけのはずがソノ機能を失うことになった時計、ビデオデッキ。ウィリー走行のために壊れたバイクと割れて赤く染まった僕のアタマ。夢のホットミルク生成機になるはずがコタツの上で牛乳を派手に噴出したのちに臭くて使えなくなってしまった電気ポット。挙げたらキリがない思い出が次々と浮かぶ。
朝は時間が無くそのまま出掛け、夕食後に再度、ポットへ挑戦。
どうにも外れなくて、結局、ワインオープナーで引っこ抜いた。
こんなにすぐ野いちごに穴が開くとは、サンタクロースも想像しなかったろう。けど、聞いたら喜ぶと思う。
美味しい紅茶を作ろうと試みた結果なのだから。